1日目2講)大牟田ビンテージのまち株式会社 冨山代表より1時間セミナー。
大牟田で複数のラウンジと、複数の飲食ビルの事業を受け継いだとたん、借金の貸し剥がし、大切な大型物件も競売へと大変なことに。しかも、ビルは老朽化で退去の連続。
しかも、大幅な人口減少と高齢化で、大牟田市は「消滅可能性都市」にノミネート。
しかし、待望の赤ちゃんが生まれれたことをきっかけに、経営再建と大牟田の町の存続を強く意識するようになる。
そこで、飲食店「僕とピクニック」オープンなど、既存の飲食店にない市場を開拓し、新しい感覚の経営手腕で自社店舗の経営再生をこなす中、相乗的に自社飲食ビルにもリノベーションの発想で入居者を生み出せることを経験する。
このタイミングで まちの活性化に挑戦するため、大牟田の建築設計 村田師匠と私とで「大牟田ビンテージのまち株式会社」を設立し、「DIYリノベシティO-OMUTA構想」を起案。
大牟田店舗の応援FBサイト「大牟田Likers」の立上げ。
「NPO法人グリーンバード大牟田」結成による市民ゴミ拾い活動をきっかけとする、まちづくりコミュニティ活動をスタート。1年で36回開催、のべ参加者428名。
そのうえで、「福岡DIYリノベWEEK2014」のシンポジウム都市として立候補したことで、観光とは異なるDIYリノベ視察を目的とした全国からのツーリズム需要を確認する。
また、ITを用いた実験的ホームステイ試策では、世界中から宿泊者が集まることを確認する中、大牟田の新たなポテンシャルを知ることになる。
現在は、まちづくりに興味を持つ人たちが集まる賃貸住宅を企画している。それは、まち株で所有者から借り上げた長期空室を使い、グリーンバードに参加する入居者が集まる「社会貢献型賃貸」を生み出そうというものである。入居者さんはその仲間になることで、その引きかえに賃料が安くなるというもの。
すでに、私たちのもとには、他県からの入居者さま Yさんが言われるように「大牟田に住むならコミュニティのある私たちの企画物件に!」という需要が生み出されていた。しかし、よりわかりやすくした「社会貢献型賃貸」では、直近の事例でFBアップ14分後に問い合わせが入るなど、地道に続けてきた取り組みがようやく認知されてきたように思われる。
それはすなわち、人が消えた中心市街地の空家に、まちとつながる目的を持った住人が生み出されるという、とても理想に近いモデルではないだろうか。
大牟田は世界遺産認定の追い風はあるものの、中心市街地に人が集まる可能性は低い。そのなかで、高齢化対応都市としての大牟田の大切な位置づけを進めることと平行して、若い世代が中心市街地に集まる仕組みがなければ、まちの形骸化は否めない。
最後の冨山氏の言葉「ハブとしての大牟田の可能性」。
ここに、全国の既存不活化都市活性化へのきっかけを、彼は気づいたんだと感じた。
このような経験をもとに、今月も引き続き 大牟田市の中心市街地活性化施策に微力ながらお手伝いさせて頂ければと思います。
おまけ:
地方都市の老朽飲食ビルで、人が集まる場づくりを目的としたリノベーションによるビル経営再生に本格的に取り組んだ事例は、稀有の存在ではないかと思われました。